死別後を生きる

2015年春 夫と突然死に別れ…
ふたりの子どもとともに残された
わたしのココロ模様

不器用な方向音痴

目的地はわかっている。

そこへ行く術は、もう何年も学んだ。

だのに未だに辿り着けない。

ぐるぐるぐるぐるとさ迷って、

時折泣きそうになるけれど

最近はたいして涙も出ない。

疲れ果ててその場にしゃがみこんでいる。

これ以上どうしてよいかわからない。

導き手も現れない。


諦めて

諦めて、このままゆっくり朽ちてゆくのを待つしかないのかな。

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透明なわたしの前に まずは

悲しみのヴェールが果てしなく覆い、

その上を日常のあれやこれやが流れていく。

だからかな

見える景色が何もかも薄ぼんやりとしている。

ほんとうは 光輝いているんだろうに。

離れ難きもの

この数日、目覚めと共に、「ああ…悲しい」と感じているのに気づく。


春一番が吹いたようだ。

また春が来る。

9年という歳月。

一日とて思わない日はない。

たまらなく会いたいという思いと

それは死ぬまで叶わないのだという葛藤を抱き続けながら生きながらえてきた日々。

悲しみの出口は分厚いカサブタですっかり塞がれてしまった。


あの亡くなった当初のように滂沱の涙を流したい。


泣きたい。



行場のない悲しみが、わたしにべったりとはりつきわたしを形作る。