死別後を生きる

2015年春 夫と突然死に別れ…
ふたりの子どもとともに残された
わたしのココロ模様

美しい処へ

主人が亡くなる一年ほど前、

ふたりで

『天国に一番近い島』へ

短い旅行に行った。

空と海の青さと

風のそよぎを感じながら、

他愛のないおしゃべりをしたり

黙って手をつないで散歩して

きれいな景色をながめ

お腹がすいたら

一緒に何かを食べて

贅沢なゆっくりとした時を過ごした。



去年の春

明日はまた赴任先へ戻るという日。

ふたりで

公園に出かけた。

タンデム自転車に乗って

園内を散策し

色とりどりの花が咲き誇る

花畑にたどり着いた。


次の日。

主人はいつものように

家を出て最初の角を

少し半身を

こちらに引き戻しながら

大きく手をふって出かけて行った。


それが

主人を見た最後だった。



ふたりで

天国の下見に行ってたんだな。