死別後を生きる

2015年春 夫と突然死に別れ…
ふたりの子どもとともに残された
わたしのココロ模様

死別後を生きる7

大ケガを負ったのと同じ。

当初は

傷から血が吹き出して

止まらなくて

ズキズキズキズキ

痛くて痛くてどうしようもなくて。


少しずつ傷口が

かさぶたで覆われて

でも何かの拍子に

そのかさぶたが剥げて

また血が出て


その繰り返しの間もなく一年。


血の出方は涙の出方。

大泣きすることはなくなったけれど

相変わらず

じわじわと涙がこぼれる。

鋭い痛みが

鈍い痛みに変わっただけで

たしかに傷はまだここにあるのに


それでも

この身を起こして

子ども達と生きていくために

役所を廻り

交渉をし

何事もなかったかのような顔をして

仕事をした。



主人と同じような最期であった

芸人さんのニュースも

友だちがするご主人の話も

普通に聞いてきた。

ある意味そうできたことは

楽ではあったけれど

わたしにあった人間らしい感情が

失せてしまったようにも思う。


記憶というデータを搭載した

ロボットのように

一歩外に出れば

過去のわたしがわたしを動かす。



ほんとうは

瀕死の重傷を負って苦しんでいる。

それでも

骸(むくろ)になりきれず

何度も目覚める。


このうえなく悲しい。