冬にまつわる思い出と思うこと
先日から「冬のソナタ」をDVDで鑑賞している。
NHKで放送されていた当時、友人に勧められて見始め、わたしもすっかりドラマの世界にはまってしまった。
たしか夜11時頃から放映されていて、
テレビの前でクッションを抱えてひとりで見るのが好きだった。
主人とは一緒に見たくなかったし、主人も見たいと思ってもいなかっただろう。
だからさっさと床についていたのだろうが、
「(ドラマが)終わるまで帰ってきませんように」と思っていたことを思い出した。
そんな遅くまで仕事をしていることも普通にあった。
ドラマが終了したのが淋しくて、誕生日だかクリスマスのプレゼントにDVDセットをねだってみた。
全巻揃えると3万数千円。
結構な額だ。
でも、主人はわたしの願い通り贈ってくれた。
今 見ているのがそのDVD。
15〜16年前だっただろうか。
雪の積もった寒い日、主人がそこそこ重さのある電気ヒーターを買って歩いて持ち帰ってきた。
「エアコンもガスヒーターもあるのに、収納のことも考えずにそんなの買って」
とわたしは不満を漏らした。
それに対して主人も何か思うことを口にしたのかもしれないが、わたしの記憶にはない。
その電気ヒーターはちょっと暖まりたい時に重宝して、今年も活躍してくれている。
この話を子どもにしたら
「お父さん、お母さんが反省してくれて喜んでるよ」
と言われた。
わたしは反省してるのではなく
あんなこと言わなきゃよかったと後悔しているのでもなく、ただ主人の温かさと優しさがこころの中にじわじわ〜と蘇ったのだ。
彼はいつもわたしの願いを叶え、どんなわたしも否定せず黙って受け容れてくれていた。
冬のソナタでは、主人公は亡くなったと思っていた愛する人と再び巡り会えた。
生きていれば…生きてさえいればいつか会えるかもしれない。
でも、わたしの主人は間違いなく死んだ。
だからもう会えない。
今年の冬も、彼が残してくれたぬくもりにすがって生きていく。
涙がこぼれる。