わたしへ
主人の死の知らせはもの凄い衝撃だった。
大きな大きな隕石がわたしに直撃したかのようだった。
死別直後から、目からは止めどなく涙がこぼれ続けたけれど、それ以上に、ちぎれた心臓の断面から血がドクドクと流れていた。
だから一周忌を迎えた時、
「わたし生き延びたんだ」と思った。
生きているのが不思議に感じた。
夫婦はお互いが「空気のような」存在だと見聞きすることがある。
この6年、わたしは生きるのに不可欠な空気のない場所で生きてきた。
こんな何もかもが希薄になった世界で
よく頑張ってきたな、って思う。
生きてるだけでしんどかったよね、と思う。
「おつかれさん。」