無題5
夢を見た。
ほんとうに久しぶりに…というより、
死別後はじめてかもしれない
主人の顔をはっきりと見た。
穏やかな笑みを浮かべたその表情、
夢の中でわたしは「懐かしい」と感じている。
夢見から数時間たってしまったので
細かい言葉は忘れてしまったが、
主人は
「(わたし達家族が)俺のことをみんなで楽しそうに話してくれて幸せだ」
と言っていた。
それを聞いたわたしは安堵したと同時に涙ぐんだ。
目が覚めて
これから先も会えないことが不思議に思え、
それから絶望の壁は変わらず目の前に立ちはだかっていたことを思い出した。