死別後を生きる17
世の中は 食うて はこ(=便)して 寝て 起きて さてその後は 死ぬるばかりよ
かの一休禅師の名言
生きることの核心をついている。
わたしは歴史が好きで、その手のドキュメンタリー番組やドラマをよく見る。
「かつて存在した」
偉業を成し遂げた偉人も
凄惨かつ極悪非道を成した悪人も、
罪なき犠牲者も
誰ひとりとして今ここにはいない。
みんなみんな過去の物語の登場人物として語られる。
ひとりひとりの人生がほんの一時に思われる。
だのにわたしの人生は、どうしてこうも長く感じられるのだろう。
主人はあんなにあっけなくこの世を去ったのに。
朝が来る度に
「今週」「今月」が始まる度に
新年を迎える度に
がっかりしている自分がいる。
死ぬまでは
食うてはこして寝て起きる
もう十分なんだけどなぁ…