8年前の今頃は、今晩◯◯ちゃんが死んでしまうなんて誰も思っていない。
当の本人も。
それぞれが忙しない、穏やかな、楽しかったりユウウツな日常を送っていた。
それから後4時間余りで彼はひとりこの世を去り、その1-2時間後には彼を取り巻く人々が信じられない出来事に茫然となり、悲しみと絶望の淵に追いやられた。
確かにあった言葉では到底表現できないあの苦しみは、今もわたしの中の記憶と思い出ボックスにある。
でも「いまここ」でそれをリアルに味わうことはできない。
少し曇った空。
湿り気の混ざる弱い風がカーテンを静かに揺らしてる。
飛行機の過ぎ行く音。
8年後、わたしがここでこんな風に過ごしてるなんて想像もつかなかったあの日。
昨夜、夢とも現ともわからない感覚の中で、
彼の声を聞いた。
「愛してるよ。これまでもこれからも。」
一瞬目が覚めて、ちょっぴり泣いた。
何年たっても
「会いたいな」という思いしか浮かばない。
会いたい。