死別後を生きる19
主人が亡くなった年の年末。
2015年のあの日までは彼はここにいたのに、
来年の、これから先のどこにも主人はおらず、
そんな世界で生きていかなくてはならないことに
言葉では言い表せない思いを抱えて過ごした。
子どもの頃は「新年」を迎えることに粛々とした静かで清らかで明るい気持ちがあって、それは大人になってからもこころのどこかにあったのだけど、死別してからはそんな気持ちもすっかり失せてしまった。
わたしにとっては年末年始も普通の日と同じ。
「あけましておめでとう」という挨拶もしたくなくて、年賀状も早々にやめた。
わたしの一年の区切りは主人の亡くなった日。
毎年祥月命日を迎えるたびに、この一年も生きてしまったんだなと思う。
彼がますます遠くに行ってしまったように感じるが、わたしが少しずつ近づいているともいえるのだろうか。
今年は12月になってちょくちょく泣いてしまう。
日常の中の、ふとした主人の言葉や態度の記憶が蘇り、優しく大事にされていたことを思い出すのだ。
誰もが人生のどこかで愛する人と死に別れる。
だからわたしが特別だとは思っていない。
それでもやっぱり思う。
今はまだそばにいてほしかった。
もう少し体温の感じられる近さにいたかった。