投げ出す
人生最大の悲しみを経験し
『絶望』の意味を
身をもって知った。
あの日までは
『死』は遠く怖いものだったが
今では近しいものとなり、
ある意味
親しみさえ覚えるようになった。
もちろん
身体に起こるかもしれない
苦痛には、
恐れを抱かずにはいられないけれど
わたしのこころの深奥にあった
死への恐怖は消え去り
皮肉なことに
生きやすくなってしまった。
生きているから生きる。
死ぬなら死ぬで
それは悦ばしいこと。
生命(いのち)のことは
生命にまかせ、
わたしは『今』に在るしかない。