死別後を生きる

2015年春 夫と突然死に別れ…
ふたりの子どもとともに残された
わたしのココロ模様

ごめんね

会社の運動会に行くために

赤いジャージの上下に着替える。

その主人に向かって

「〇〇ちゃん(夫愛称)、1度死んでるんだから

2度3度死なないように、無理しないでよ。」

「うん。」

元気のない浮かない表情の主人。


玄関先でハグして

わたしは主人のほっぺに

チュッとする。


抱き合った感触

ほほの皮膚の感覚

リアルに感じているんだけど、

わたし達の間を隔てる

見えない何かがある。


「さみしいね」

「ほんまさみしいなぁ。」


靴が散らばった狭い玄関。

階段の踊り場から

運動会の会場を眺める

主人の後ろ姿。



そこで目が覚めた。



賢明なひとだったから

主人はもう

自分の宿命を受け入れて

今ある姿でそこに在ると

思っていたけれど

(さみしい)

って思っているのかな。


わたしもね

頑張ってるよ。

でも

このさみしさは

そう簡単にはなくならない。

いつまでも

泣いてるわたしを見るのは

切ないかもしれないけれど

まだしばらくは

泣くことをゆるしてほしい。