死別後を生きる12
俳優 大杉漣さんの突然の死に驚く
友人からのライン。
戸惑うわたし。
どう返信しよう…
そうこうしていたら、立て続けに
△△(わたし)のご主人は、漣さんよりもっと若くして似たような亡くなり方したんだったね。
突然の別れはショックだね。
余計なこと言って辛いこと思い出させたらごめんね。
とメッセージが届いた。
なんとなくの雰囲気で、
彼女が大杉さんの訃報を知った時の驚きを
いつものノリでラインしてきたんだろうな、
送ってすぐに
わたしの身の上をハッと思い出して、
わたしの心情を気遣うメッセージを送ってくれたんだろうな…と思った。
あらためて思った。
主人の死に対するこの辛さは
こころのどこかに押し込まれ、何かの折りに
『思い出す』ものじゃないんだよなぁ。
今日だって辛い。
きっと明日も明後日も
生きている間はずっとずっと辛い。
「辛さが目に見えないだけなんだよ」
そう言いたくなるけれど言わない。
彼女には決してわからない思いだから。
わたしは大杉漣さんの訃報を知って、驚かなかった。
こういうことあるよね。
大杉さんが今どんなお気持ちでいるのかはわからない。
でも彼の奥様の受けた衝撃と
おそらくはじめて味わうであろう耐えるしかない苦しみの日々が繰り返されることを
わたしは知っている。
命の儚さと、
愛する人との死別は
2年や3年そこらで思い出になるような、
そんな経験ではないということを知ってしまったんだな。