死別後を生きる

2015年春 夫と突然死に別れ…
ふたりの子どもとともに残された
わたしのココロ模様

紐解かれてゆく

先日、ふとテレビをつけたところ、
平井堅さんが歌っていた。
ふだん音楽は、ほとんどといって聴かないわたしだが、彼の歌声を聞いて、
ドラマ『JIN 完結編』のエンディング曲を久しぶりに聴いてみたくなり、
オンデマンドでドラマを見た。


時空を越えて愛するひとを想う歌。
しずかな涙が、つーっと流れた。


そうして…思い出したのだ。
わたしはずっとずっと、ドラマの(綾瀬はるかさん演じる)咲さんのような女性に~生き方に憧れていたことを。


愛するひとを想う自分の気持ち、
それはそれとして、
相手をおもいやり、相手を助け、それでいてどんな境遇にあっても自分の本質となるものを大切にして生きていく姿。


南方先生がこの時代を去り、
病の後、周りの誰にも先生は存在せず、彼女自身もまた先生の名を忘れ、そこに『いた』朧気な記憶の数々も、やがて薄れていくような~そんな中にあって、
たったひとつ確かにこころに残り、
生き続けていたもの…南方先生への愛。


そういうゆるぎのない、深く静かな愛を体現しているのが咲さんで、
彼女のように生き、『在る』ことが、
主人とこんな風に別れてしまったわたしが、本当はほんとうに望んでいたことなのかもしれない…と
こころの深奥にしまいこまれていた記憶が、差し込み始めたひとすじの光に明らかにされつつあるような…そんな気がしてきた。