死別後を生きる9
主人が全く存在しない世界での一年が
間もなく終わる。
高く険しい山を
泣きながら
歯を食い縛りながら
辛さを堪えて堪えて
頂上まで登りきったように思うんだけど
ここにも…
主人はいない。
この山じゃないなら
どの山を
あといくつの山を登らなければ
一緒に連れて行ってもらえないんだろう。
身体が…重い。
こころには
相変わらず
真っ黒な空洞が開いたまま。
真に癒されることはなく
寂しさをごまかしながら
湧き上がる負の感情を
自分でなだめすかしながら
来年もまた
こうやって生きていくんだろうな。