死別後を生きる

2015年春 夫と突然死に別れ…
ふたりの子どもとともに残された
わたしのココロ模様

呪文

「しゃーないやん」


今さら言ってもどうしようもないことを

グズグズ言うわたしに

主人がよく投げかけていた言葉。



「仕方がないよね…」


主人が亡くなって、

何度こう呟いたことだろう。


『死』という

わたし達の意志とは関係なく

自然というか

宇宙というか…

なにかしら

大きな大きな力で以て

為されたこの別れに対して、

自分に

諦念を受け容れさせるための言葉。



あの形あの声の主人と

生きてこの世で会う可能性は

0(ゼロ)だという絶望と

この『心底寂しい』気持ちとが

あの日以来の

わたしを形作る部品となり、

わたしはあの日以前とは違う

新しいわたしとなって、


「しゃーないね」と


このわたしを受け容れて

残りの人生を生きている。